医療と数理科学との架け橋となり、人々の幸福に貢献研究・開発・臨床医療、いかなる分野に携わろうと医療者である我々の願いはひとつです。「優れた技術があるから研究をする」のではなく、「人々の暮らしを豊かにするために必要な技術は何か」というモチベーションを持った人材を育ててゆきたいと思います。自発的に課題を見つけ、目標達成に必要なスキル・知識と解決策を考えられるような人材育成を心掛け、この場所をより多くの人材が未来の医療を担う存在となるための教育環境を提供していきたいと思います。
副コアセンター長を拝命しました岩﨑淳也です。私は卒前医学教育において医学部生にAI教育を行って参りました。医療AIの重要性が高まっている一方で、医学部や医学系大学院ではAIを学ぶ環境が整っているとは言えません。最先端医療AI研究・開発者を育成するためには、まず裾野を広げ、より多くの医療従事者がAIについて学ぶことのできる環境を整備することが重要だと考えています。これまでの経験を活かし、情報系の知識が無くても理解しやすい、体験型のAI教育プログラムの開発と実践を行っていきたいと思います。
我が国は医療者の偏在、高齢化社会、働き方改革など多くの医療課題が山積みになっており、これらを解決するための道具としてAI技術が期待されています。医療AIの研究開発には医療分野に精通し、かつAIを利活用して多様な医療データを解析し課題解決をデザインできる人材が必要となります。当コアセンターでは、医療分野に特化した最先端AI研究開発人材を育成するために、次世代の医療AI研究者育成プログラムの開発と教育の実践を、Clinical AI、大学病院附属臨床研究推進センター(CRIETO)、ビッグデータメディシンセンター、オープンベッドラボ、東北メディカル・メガバンク機構・薬学研究科・加齢医学研究所・医工学研究科等と緊密に連携し、実施いたします。
デザイン思考による医療課題のキュレーションを学ぶことのできる社会実装を目指したAI開発体験プログラムを、Clinical AI、CRIETO、AI Lab、企業などと共同して開発し、これを実践することでプログラムの教育効果を明らかにします。この体験プログラムでは、単にAIの知識を身に付けたりデータの解析を行うのではなく、実践的ワークショップを通して、医療現場に存在するニーズの探索・分析とその課題の解決策を、AIを用いてデザインすることを学びます。このワークショップを体験することで、自発的に医療課題を見つける力、目標達成に必要なスキル・知識と解決策を考えられる能力を身につけることが期待できます。