2020年度より東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター長を拝命いたしました片桐です。
創生応用医学研究センターは、2002年4月1日に疾患の理解や制御を目指した部局横断型の教育研究施設として、野田哲生初代センター長のもと、3部門8分野の体制で発足しました。当時は、遺伝子改変動物などの技術を用い、個体でのゲノム機能の解析などから、応用につながる新たな研究を創生することをミッションとしていました。その後、ポストゲノム研究の趨勢にともない、2010年に、「コアセンター制度」を取り入れた組織へ改変され、幅広い医学的な課題に対し、その時代の最先端の技術を取り入れ、分野融合的な研究を発展させるミッションを果たしてきました。
現在、デジタル化による研究や臨床のビッグデータの集積や、機械学習、とくに深層学習を用いた人工知能AIの発展により、医学の分野においてもデータ駆動型研究による医療の変革が大いに期待されています。そこで、本センターでは、これまでの生命科学的研究手法での研究開発を担う基礎研究部門に加え、AI医学の推進に向け研究科内外の人材や知性を結集し、また、関連部局との連携を強化することにより、AI医学基礎部門、AI応用医学部門を新たに設置する大きな改変に踏み切りました。この体制により、AI医療を発展させる拠点となる基盤が整い、これまでに解決が困難であった医学的な課題に対し、最先端の生命科学テクノロジーとデータ駆動型科学の両面からの戦略開発を展開していきます。